今回は、個人山行ということで、
東京都奥多摩にある
御岳山(みたけやま・みたけさん)と大岳山(おおだけさん・おおたけさん)に行ってきました。
御岳山は、東京都多摩地域北西部・青梅市にある標高929mの山。奈良・平安の時代から関東の霊山として信仰されれており、山頂には武蔵御岳神社があります。ニホンオオカミを守り神とし、おいぬ様と崇められています。(ちなみに神社では愛犬祈祷もされています。)ケーブルカーの御嶽山駅で降りると、神社まで続く急坂の参道が続きます。お土産物屋や食事処が数件並び、いわば観光地化していてそれなりに賑やかな通りとなっています。ケーブルカー御嶽山駅のある御岳平の近くには、日本一とも言われるレンゲショウマの群生地があり、夏にはその花が咲き、多くの登山客を楽しませてくれるとのこと。また山中はムササビの生息地でもあり、その姿もよく観察されるのだとか。
一方、大岳山は標高1266mの山で、御前山、三頭山と共に奥多摩三山と呼ばれています。花の百名山、日本二百名山のひとつでもあります。こちらも山岳信仰の対象で、山頂付近にはひっそりと大岳神社(大嶽神社)があります。頂上南側は視界が開けていて、お天気が良ければ丹沢山塊や富士山も望めます。また、春には山頂付近ではミツバツツジが数多く開花するとのことです。
今回の山行は、まずはケーブルカーの滝本駅から。
紅葉時期の週末ですので、さすがに途中の電車もバスも込み合っていました。
当然のようにケーブルカー乗車時にはかなり列に並びましたよ。
側面がカラフルなケーブルカーに乗り込み、
片道約6分、最大勾配25度の線路を登って行きます。
ちなみにケーブルカーの車体自体は22度に傾いていて、
車内は階段状になっています。
乗り始めは杉林に視界が遮られていましたが、
頂上付近まで登り切った辺りは紅葉が。
御岳山駅に到着。
御岳神社の参道が始まります。
辺りには見るも鮮やか、モミジが赤々と紅葉していました。
参道の途中、奥に尖がった小高い山がそびえていました。
全体が色付いているその山は、今日このあと登る大岳山です。
(と、言われていたのですが、実は奥の院峰だったようです。)
これから右手へ一旦登って、次に渓流まで降りて、
そしてまた登ることになります。
立派なわらぶき屋根の建物。
御岳神社の宿坊兼神社カフェで、
山菜料理やさしみこんにゃくも食べられる甘味処だそうです。
別の宿の前には干された大根が。
なかなか見られない光景に風情を感じてしまいます。
舗装された細道ですが、かなりの急こう配。
つい紅葉に見とれていると足がもたついてしまいそうです。
木の幹がトタンで補修されているのは、
国の天然記念物、神代けやき。
本来まっすぐ上に伸びているはずの幹は折れてなくなり、
枝木が生い茂った感じのグロテスクな格好の巨木。
いろいろなものが宿っていそうです。
お店が軒を連ねている町場通り。
御岳神社の入り口。
門の奥に鮮やかな紅葉が。
神社の上には行かずに脇を進みます。
休憩処の脇、紅葉のグラデーション。
杉林を下って行きます。
天狗岩。
小山に見えますが、一つの大岩のようです。
張り巡らされた木の根っことチェーンを掴んで岩の上まで登ります。
多くの人々に掴まれた根っこはどれもツルツルになっています。
縦横無尽に根が絡み合う岩壁にも圧倒されます。
足を滑らせそうものなら崖下に真っ逆さまというような箇所。
両端の岩の上には天狗の人形。
向こう側の紅葉も素敵です。
天狗の下で「いいね!」なポーズ。
天狗岩を反対側から見上げたところ。
さらに降りると渓流が見えてきました。
この辺りからロックガーデン(岩石園)が始まります。
ロックガーデンでは、
苔がむした大小の岩が次から次へと連なり、
調和が取られた庭のような山道となり
渓流を挟んで1.5kmほど続いています。
岩場の渓流沿い。
交互に水流を横切りながらの道が続きます。
渓流には大小いくつにも段差がかたち作られているので、
白く輝く水しぶきの見た目の綺麗さもさることながら、
水の流れる心地良い音がず~っと耳に響き渡ってきます。
歩を進めながらも、気持ちがじわじわと癒されていく
小気味よい感覚に思わずとらわれまてしまいました。
流れの淀みには黄褐色の落ち葉が幾重にも溜まり、
この季節ならではの光景も見られます。
まさに岩と落ち葉のハーモニー!
お手洗いもある休憩所。
テーブルでは食事をする人々も。
暑くもなく寒くもない、ちょうど良い気候ののどかな光景。
ロックガーデンというだけあって、本当に多くの岩があります。
この大岩もなかなか興味深いというか、
じーっと見れば見るほどいろんな顔に見えてきて、
まるで名画や彫刻のような奥深い世界観を感じられませんか?
整然と並んだ石段の先にも黄金色に輝く秋の風景。
鳥居の先には、落差10mの綾広(あやひろ)の滝。
御岳神社の宿坊で申し込めば、滝に打たれる滝行もできるそうですよ。
滝自体はそんなに大きくありませんが、
右手の巨岩、滝上の紅葉が滝を中心としたこの場を神秘的に演出。
まさにこちらも絵に描いたような風景。
パワーをもらえそうな神々しい雰囲気です。
この時期の人出の多さに驚いていましたが、
重ね石までもが渋滞状態でしたよ。
ロックガーデンを過ぎ、大岳山へと向かいます。
逆方向からだと道標がなければ、道を間違えそうな分岐点。
ここでまた小休憩。
休憩時には柿やリンゴをいただき、ほおばりました。
楓の赤ちゃん。
葉っぱが2枚だけなのに落ち葉の間から逞しく生えていて、
葉の付け根まで立派に紅葉していました。
岩を後ろ向きで伝って降りて行きます。
そこそこ急な岩場です。
鎖を伝う箇所も。
まるで茨の道のごとし。
開けた空間には大岳神社の鳥居。
すぐ下にトイレもありました。
こちらが大岳神社。
意外と質素です。
さらに岩場が続きます。
岩場を登りきると、大岳山頂上。
見晴らしは良いハズだったのですが、
頂上に着いた時は、あいにくの曇天模様。
空は霞んでいて、眺望はいまひとつ。残念!
でも大勢の人々で賑わっていましたよ。
座るのに程よい場所を陣取って、
みんなで仲良くお昼にしました。
下山は、来た道をほぼUターン。
ただし、ロックガーデンは通らず巻き道経由。
急斜面は登るときより降りるときの方がたいへんです。
気を抜かないで用心深く。
赤く熟したマムシグサの実。
帯状に紅葉した日の出山も見えます。
立ち止まって、山の紅葉を脳裏に焼き付けます。
「あ~良い風景!」って、堪能しているところ。
遠くからだと木に赤い花が咲いたように見えたのは、
上から順に紅葉し始めたカエデの木。
天狗の腰掛杉。
再び、御岳神社の境内に戻ってきました。
リンドウのつぼみ。
こんな感じで今回の山行は終了。
初心者向けの山だと聞いていたのですが、とんでもない。
岩のごつごつした険しい山でした。
いや~ぁ、なかなか登り甲斐ありましたよ。
そして今回、初参加の方もいらして大奮闘されていました。
参加されたみなさま、たいへんお疲れ様でございました。
追記;
高橋さんが撮られた写真も付け加えておきます。
天狗岩に登るところも撮っていただいていたようです。
最後に一言。
「下りはやっぱり膝にきます!!」
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