今月の「峠山の会」定例山行は、荒船山(あらふねやま)。
群馬県甘楽郡下仁田町と長野県佐久市にまたがる荒船山は、
妙義荒船佐久国定公園の名峰で、日本二百名山の一つ。標高は、1,423m。
その名の通り、荒波の海を航行する 屈強な軍艦を思わせるどっしりとした独特な山容で、
船尾にあたる切り立った絶壁(標高差200m)からの眺望が素晴らしく
登山者にもたいへん人気の山です。
その頂上北端の艫岩(ともいわ)からは、浅間山から遠く北アルプスまで一望でき、
平らになった頂上部分はテーブルマウンテンと言われ、穏やかに森林ハイクが楽しめます。
南端に船首のようにちょこんと尖がった部分になっているのが、
最高地点の経塚山(きょうづかやま)で、
テーブルマウンテンの森林を進むと目前に突然急登が現れます。
全体的には、樹林帯あり岩場ありで、アップダウンを繰り返す変化に富んだコースとなっています。
さて、この時期 鮮やかな紅葉は見られますでしょうか?楽しみです。
いつもの「三芳観光バス」で現地へと向かいます。
登山口近くになると、車窓から見える紅葉がキレイです。
お天気も良く、絶好の行楽日和。
気分もワクワクしてきます。
バスの目的地、内山峠に到着。
準備体操をしてから登山のスタートです。
この駐車スペースはもうすでに車でいっぱいの状態。
道路脇にまで駐車してあるほどです。
空いた場所がないので、車の周りや
登山口前のちょっとした空間で身体をほぐしました。
コチラがすぐ脇の荒船山登山道 入り口。
「クマ出没注意‼」の看板の隣には、
「スマホ見ながら登山は危険です。位置確認は止まって見る!」の
手書きメッセージが貼られています。
恐らく、過去に何かしらのアクシデントがあったのかと想像してしまいます。
辺りは意外と気温が低くて、肌寒いスタートとなりました。
地面もやや濡れた感じでひんやりとしています。
ところが、陽が差す箇所まで登ると徐々に暖かくなってきました。
そして落ち葉もからっからに乾燥しています。
山腹の紅葉はもう終わった模様。
ほとんどの木々はすでに枯れ枝になっていました。
これから登りのハズですが、下ったりもします。
高台に来ると枯れ木の隙間からは眼下の紅葉が望めました。
落ち葉の下にはごつごつした岩や石ころが隠れていて、
足元に注意しながらの登りです。
階段のところには、鎖とロープが。
ストックを持ち上げて、鎖につかまって登ります。
はしごの架かった道もありました。
足を踏み外さないように慎重に。
今回は初参加の方々もいました。
みなさん健脚のようで元気いっぱいです。
ベテランさんも負けてはいられませんね。
少し進んでひと休み。
身体が温まってきたので、
衣服調整をして呼吸も整えます。
クルクルとツンツンのコケたち。
小さな森林のように見えます。
道のりはやや急斜面が続きます。
それでも根っこに引っかからず進めば、
比較的歩きやすい山道です。
鋏岩修験道場(はさみいわしゅげんどうじょう)跡。
ちなみに修験道とは、
山にこもって厳しい修行を行うことで悟りを得る山岳信仰のこと。
その修行者のことを修験者または山伏と呼ぶそうです。
なるほど、この場所で過去に多くの人が
修行をされたということなんですね。
滝がないので、なかなかその情景が目に浮かびませんが。
↑ よく見ると巨大怪物の顔にも見えてしまう鋏岩。
3人は今にも食べられそうな構図。ひぇ~っ!
巨岩の前で小休憩。
さらに登ったり下ったりの道が続きます。
整備されているとはいっても、
一旦道を外れると辺りには倒木がたくさん横たわっています。
遠景で見ると荒れた山のように見えます。
地面にはカサカサの落ち葉が積もり、
それを踏みしめながら先に進みます。
下って登って。
今度は右手に経塚山が見えてきました。
荒船山の台地上にひとつだけポツンとそびえる小山が経塚山。
この後登る予定の山です。
ここからだと先の道のりはまだまだありそうです。
木の根っこが縦横無尽に張っていますね。
足を取られないように要注意。
時々現れるエッジの利いた小石群。
地層が自然と砕けて細かくなっているんですね。
まるでふるいにかけたかのように均一の大きさです。
崖側にはロープが張られています。
明るい時でないと、わき道にそれるのは危険ですよね。
かつて墜落事故があったというので、やっぱり怖いです。
倒木の根っこも、
何故だかどこか奇妙な生き物の顔に見えてしまう不思議さ。
なだらかな林には白いホウバの落葉が散らばっていて
ある意味キレイな光景が。
前方には荒船山の艫岩が迫ってきました。
荒船山は隆起した山が長い間の侵食によって固い部分だけが残り、
メサ状の台地となったとされています。
「メサ台地」=「卓状台地」or「テーブルマウンテン」
一杯水。
水量はちょろちょろ程度の湧き水。
木橋の左手の山肌から出ているので、
どれだけ手を伸ばしても全く水には届きません。
飲んでみたくなりましたが、飲むことができなくてやや残念。
登山道に張られたこの青いひも。
ロープと思いきやホースだったという驚き。
リサイクルなのでしょうか。
利用できるものは何でも利用するって良いアイデアですね。
コチラにもはしご。
まだまだしっかりはしていましたが、
足を乗せるところはかなり朽ちてきていました。
上から見るとなかなかの急こう配ですね。
でもカメラを向けると顔を上げてほっこり笑顔です!
鎖場やロープ場の難所は
さすがにスピードを落として、丁寧に足の置く位置を探します。
ちょっとレトロな立て看板。
昭和の時代から長い間ず~っとこの場に
立っていたような雰囲気です。
洒落た書体が割とイカしていますね。
崖に注意の張り紙。
「キケン 崖のぞくな」
艫岩(ともいわ)に到着。
船の船尾である艫に例えられた場所。
改築予定の東屋が利用できますが、トイレは使用不可。
このすぐ奥が絶壁の箇所。
艫岩の先端にて記念撮影。
今回の参加メンバーは20名。
初参加4名もいらっしゃいます。
あわてて旗を出して、他の登山客さんに撮ってもらいました。
艫岩からの風景。
写真に撮ると白っぽく霞んでいますが、
眼下には紅葉した山が見えて、実際にはキレイです。
もっと左手には雪を抱いた浅間山が見えるはずなのですが、
微かにしかわかりませんでした。
艫岩にて昼食。
ここまでは順調に進んで来たため、
いつもより時間をかけての
ゆっくりランチタイムです。
座っていると少し寒くなってきましたが、
水筒にお湯を入れて持ってくると、
暖かいカップ麺を食べたり、熱々のコーヒーが飲めてありがたくなります。
ツワモノになると燃料を使ってお湯を沸かされる方も。
のんびりとした食事の後は、テーブルマウンテンを進みます。
木々も草もすっかり冬の光景になっています。
紅葉が少しは残っているかと期待したのですが、
その点は残念。
ですが、この陽気です。
ぽかぽかハイキングを満喫できました。
途中、ひと際 目に付いたのが、マユミの木。
薄紅色の実がかわいいのですが、
樹高がありすぎて上手に写せませんでした。
コケの蒸したほこら。
コチラがメサ台地の頂っぽいです。
経塚山への分岐点。
ここにリュックを置いて希望者のみ経塚山 山頂を目指します。
数人はお留守番です。
無理しない登山が一番ですからね。
急な登りを上がること20分ほどで山頂に到着。
山頂は小さなほこらとボロボロになった頂上標識があるだけの狭い空間。
木々に遮られて景色もよくありませんが、
みなさん、順番に写真を撮っていましたよ。
「変顔で写ろう!」と急に提案されたのですが、
咄嗟には対応できなかった2名と
スピーディに顔を作る器用な1名での写真。
そんなかんだがあって、
このあと、分岐地点に戻ります。
急な下りの難所はやっぱり人が詰まってしまいます。
狭い道を上下で人が行き来するので尚更です。
紅葉の時期ですのでやはり登山客はそこそこ多いですね。
登山愛好家の年齢層も幅広いようでした。
合流したあと、荒船山からの下山が始まります。
橋板に隙間がある木橋。
足元から下の谷底が見えるので、少し恐怖心に駆られます。
これでもかと遮ってくる倒木。
木につかまって体をひねるようにして通ります。
星尾峠。
標識と案内板があるだけの箇所。
妙義荒船佐久高原国定公園の案内板。
表示が薄くなってよく見えませんでした。
下山が進むと徐々に紅葉の風景が戻ってきました。
カラマツの上部分には赤茶色い葉っぱが。
道をふさぐ丸太の上でピースサイン。
終点まではもう少し歩きますよ。
下りもアップダウンはありますが、
急がないのでのんびり行きましょう。
小休止してフルーツの差し入れをいただきます。
小さい沢を横切ります。
岩が濡れて滑りやすくなっていました。
少しの段差ですが、ちょっとした崖なので滑らないように注意です。
ちらほらと色鮮やかな木々たち。
荒船不動尊に到着。
弘法大師(空海)が作ったとされる不動明王を祀るお堂があります。
ですが人の気配はなく、辺りはひっそりとしていました。
コチラでトイレ休憩。
ススキのすぐ向こう側には、点々とした紅葉に包まれた山が。
陽射しを浴びて黄金色に染まるカラマツ。
マムシグサの実。
民家のある辺りまで降りてきました。
カエデの葉は真っ赤です。
程なくバス待機場所に到着。
今回の山行はコチラがゴールです。
帰りのバス車内。
車窓から見える荒船山。
紅葉の向こうに現れた荒船山の山容が素晴らしいです。
結果的には、真っ盛りの紅葉も見られて大満足でした。
今回の山行も無事終わることができてよかったです。
お天気にも恵まれ、素晴らしい景色も思う存分堪能できました。
新しいメンバーの方々もありがとうございました。
リーダー、サブリーダー様お疲れさまでした。
そしてみなさま、お疲れさまでございました。
PS. 帰りに立ち寄った道の駅では、みなさん下仁田ねぎなど買い物も楽しまれたことは言うまでもありません。思い出に残る、充実した素晴らしい山行となりました。感謝 感謝‼
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